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介護、5年間で最大6万人

更新日:2018年12月14日

2018.12.13 |シルバー産業新聞


法務相「施行前に全体像示す」


 外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法(入管法)改正案が11月27日、野党の反発を押し切り、衆院本会議で可決、参議院へ送られた。今国会で成立させ、来年度からの施行を目指す与党と、徹底抗戦の構えを崩さない野党の攻防が続いている。同法案については、これまで「具体的な運用が示されていない」との指摘が野党から相次いでいた。 

 大島理森衆院議長は裁決にあたり、「施行前に新制度の全体像を明らかにすべき」とし、施行前に省令などの詳細について政府が国会へ報告することを提案。これを受け、29日の参院法務委員会で山下貴司法務大臣は「法施行の前に、政省令を含む全体像を国会

に報告する」とした。

 今回の改正案は人手不足が深刻な業種で、一定の能力が認められる外国人労働者を対象とした新たな在留資格「特定技能1号」「2号」の新設が柱。国外からの人材確保を目指す同法案が成立すれば、技能移転による国際貢献を名目としていた技能実習制度から大きな転換を図ることになる。

介護、5年間で最大6万人

 特定技能1号の対象業種は介護を含む14業種。政府は、受け入れ人数を初年度(2019年度)で最大4万7,550人、5年間最大34万5,150人と見込む。介護は初年度5,000人、5年間で5万~6万人と全業種でトップクラスの規模だ。ただし、現段階の暫定値とし、法案成立後に法務省と関係省庁がまとめる「分野別運用方針」で改めて5年間の受け入れ見込みを示す。法案審議で示した数が、法案成立後に変わる可能性があると、さらに野党からの批判で紛糾した。

 外国人が特定技能の在留資格を得るには、所管省庁が定める試験を合格する以外に、技能実習制度から移行するルートもある。建設業は初年度6,000人のうち96%が技能実習修了者と見込んでいる。技能実習制度が昨年11月に始まったばかりの介護は実習生からの移行は初年度ゼロだ。

 各業種の具体的な要件も未定だが、特定技能1号は「即戦力として必要な知識または経験を有する」とされ、所管省庁が定める試験などをクリアする必要がある。日本語能力は、「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度を基本としつつ、各分野で必要な水準を定める」。技能実習制度同様、介護などの対人サービスは他の業種よりも高く設定される可能性もある。3年間の「技能実習2号」修了者はこれらの試験が免除され、移行が認められる。

 在留期間は最長5年で家族の帯同は基本的に認められない。同じ業種であれば転職も認められる。

 また、受け入れ機関の直接雇用が原則だが、分野に応じて派遣形態も可能とする考えだ。さらに外国人が安定的・円滑な活動が行えるよう、受け入れ機関、または出入国在留管理庁長官の登録を受けた登録支援機関が日常生活上の支援を行うとしている。

 「熟練した技能を要する業務」に就く特定技能2号を想定するのは、現時点で建設と造船の2業種のみ。介護は対象外となっている。

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