健生苑 QOL下げる失禁対処に

更新日:2018年12月14日

2018年10月|シルバー産業新聞



特養「健生苑」(入所50人、短期4人)は、昨年7月、膀胱の尿量を測定する機器「DFree」(トリプル・ダブリュー・ジャパン製)5台を導入した。佐伯幸雄施設長は当初、「機器導入によるおむつ外しによって、おむつ代や処理費用、洗濯の経費が浮く。夜間のナースコールが減れば、夜勤者の負担が減って退職者が減る」と期待をした。

 同施設のおむつ使用者は、常時24人、夜間のみ21人。ほとんどは車いすで、歩ける人は3、4人程度。平均要介護度は4.09と高いが、月3~4回はデパートなどへ外出もしている。車いすの人は、おむつ外しがしにくいので、おむつ外しをしないで、排尿状況が分かることで何に役立てることができるのかを職員で考えたという。導入台数を5台に止めたのも、得られたデータから排尿パターンを分析して役立てる必要があるからだ。一人ひとりのデータで判断できるメリットは大きい。3人に、18年改正で創設された「排せつ支援加算」を取得している。

 ケアの向上につながったことで、入院患者が減少して、ベッド稼働率が高まったのも導入のメリットだった。

 膀胱の蓄尿量を高めるために、お尻の穴をすぼめる運動を続けると、40%程度しか貯められない人が70%程度まで貯められるようになった。夜の安眠につなげることで、昼間のレクリエーションに参加できるようになった人もいる。

 これまでの印象では、「経費削減より利用者の介護の質向上に役立つと考えた方がよい」と佐伯施設長。「おむつをまったく使用しなくなるわけではなく、パンツタイプや尿取りパットへ代わることになる」が、「リハビリを並行して行ってADLが向上して、おむつを外せるようになった人は、DFreeを、尿意を訴えることを補完するセンサーとして活用することができる」と話す。

 排尿があった場合も、DFreeによっておむつの交換が早くできることで、ぬれたおむつの不快感や尿による皮膚かぶれ、褥瘡などの皮膚疾患、尿道炎などの疾患を防ぐことになる。排尿の間隔を把握することで、安心して外出ができ、生活圏域が広がる効果もあるという。