大森医師会 認知症の簡易検査手法開発

2019.01|シルバー産業新聞




3分の検査で重度と要因判別

 大森医師会(東京都大田区、新井俊秀会長)は、11月14日に、認知症の程度と要因を簡易的に判別するツール、「TOP―Q(Tokyo Omori Primary Questionnaires for Dimentia)」の発表を行った。

 「TOP―Q」は「質問」と「模倣テスト」で認知症を点数化するもの。合計3点満点で認知症の程度を判別する。

 質問は、時事に関する計算と誕生日の記憶テストを日常会話の中で3種類行う。例えば「2年後の東京オリンピックの時は何歳か」「54年前の東京オリンピックの時は何歳だったか」「誕生日はいつか」を聞く。3種類の内、一つでも間違えた場合1点となる。

 模倣テストでは、手を使って「キツネ」と「ハト」を表現する。どちらか一方ができなかった場合1点、両方できなかった場合は2点を加える。

 合計が0点の場合は認知症の可能性が低いとされる。1点の場合、軽度認知障がい(MCI)が疑われ、2点の場合は軽・中度認知症、3点の場合は中・重度の可能性が示唆される。

検査中の様子から各要因も類推

 同時に、検査中の対象者の様子から認知症の原因疾患も判別する。質問の回答を近くの人に確認する「振り向き徴候」が見られた場合は「アルツハイマー型認知症」が疑われる。また、目をつぶって両腕を水平に肩まで上げた後に、手が内側に回転しながら下がる場合は「脳血管性認知症」、両手首を体の前で左右に振った際に、動きの滑らかさに差が出る場合は「レビー小体型認知症」が考えられる。

 2014年に行った検証では、50歳以上の2,105人を対象に従来の認知症検査であるミニメンタルステート検査(MMSE)との照合を行った。その結果、非常に高い精度で認知症の程度、要因との整合性が得られた。

 開発に携わった大森医師会工藤千秋理事は「専門職でなくても実施可能なテスト。短時間ででき、正確性も認められています」と有効性を強調する。

 また、長谷川式簡易知能評価ツールやMMSEでは、問診形式で行うため、対象者が身構えてしまい、協力を得られないこともあったそうだ。

 「今回のツールは、日常会話や普段のレクの一環として取組むことが可能です。身構えさせることがなく、3分程度で行えますので検査を受ける側のストレスも少ないです。自宅で介護をしている家族も簡単に取組めるので、医療機関へ受診するきっかけになることを期待しています」と話した。